逮捕後23日間が勝負|前科をつけないためにできること
逮捕されたり起訴されて、有罪判決を言い渡されると「前科」がついてしまいます。
前科がついてしまうと、仕事や家庭、社会生活で大きなデメリットを背負ってしまうことになります。
刑事事件では起訴されると99%以上の確率で有罪判決が下されているように、起訴されて無罪判決を勝ち取る可能性は非常に低いのが現実です。
しかし、逮捕された人が必ず起訴されるわけではありません。
逮捕されたとしても起訴を免れることができれば、前科がつくことはないのです。
この記事では、前科をつけない=不起訴処分を獲得するためにはどうすれば良いか、長年、刑事事件の弁護にあたってきた弁護士が解説します。
前科がついてしまうと社会生活に大きな不利益が生じることに
刑事事件で有罪判決が下されて刑が確定すると、刑罰の内容に関係なく、たとえ執行猶予であったとしても前科がつくことになります。
前科がついてしまうことで、社会生活上のさまざまなデメリットが生じてしまいます。
社会人であれば、就業規則で有罪判決を受けることが解雇・懲戒事由となっている場合、解雇・減給・降格といった処分を受けるおそれがあります。
再就職の際にも、前科があることや懲戒解雇されたことなどが判明すると大きな支障になってしまいます。
履歴書の賞罰欄に前科なしと記載すれば虚偽記載となるので、後々のトラブルを招いてしまうおそれもあります。
また、本人だけでなく、ご家族やご親族が就職する際に身辺調査が行われ、身内に有罪判決を受けた人間がいることがわかると、採用を決める上でマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
このようなことは本来はあってはならないことですが、残念ながら、いまだにそのような調査をする雇用主などが存在することも事実です。
前科がつくことによる悪影響は結婚などの私生活にも及んでしまうこともあり得ます。
それだけに、たとえ逮捕されてしまったとしても、いかにして起訴を免れるかが非常に重要になってくるのです。
起訴猶予による不起訴処分を目指す
刑事事件で起訴されて有罪判決が下される確率は99%以上に上りますが、一方で逮捕されても不起訴処分となる確率は60%以上あります。
不起訴処分になれば、逮捕されたという記録(前歴)は残っても前科はつかず、刑事手続きは終了して元の生活に戻ることができます。
不起訴処分になる理由には、嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予などがありますが、最も多いのは起訴猶予で、全体の7割近くを占めています。
起訴猶予というのは、犯罪の嫌疑が認められるが、被疑者の性格や境遇、犯罪の軽重や犯罪後の情況、示談の成立や被害者の処罰感情、再犯の可能性など総合的に考慮し、あえて不起訴にすることです。
逮捕された方から刑事事件のご依頼を受けた弁護士としては、犯罪の事実を認めている場合であれば、起訴猶予による不起訴処分を目指していくことになります。
不起訴処分を得るためのタイムリミットは逮捕後23日間
逮捕され、身柄を拘束されてから起訴されるまでは最長で23日間になります。
逮捕後、最長48時間以内に検察官に送致され、その後24時間以内に検察官によって身柄を拘束する必要があるかどうかが検討され、勾留請求が認められれば身柄は留置場に拘束されたまま捜査が継続され、最長23日間の間に起訴・不起訴が決定されることになります。
起訴猶予による不起訴処分が得られるためには、検察官が起訴するかどうかを決める前に、示談など起訴猶予の事由となる材料を揃えなければなりません。
私が担当したケースの中には、示談成立がぎりぎりの状況になりながらも、なんとか起訴猶予処分を得ることができたこともありました。
刑事裁判の有罪率99%という中で、今までに刑事事件の弁護で無罪判決を獲得したことも3件ありますが、やはり起訴されてしまうと有罪判決を免れることは容易ではありません。
逮捕後23日間以内に起訴猶予処分を得るためにどこまで弁護活動を行えるか、刑事事件を扱う弁護士の力量が試されることになります。
再犯防止策を提示することが重要なポイントに
長年、刑事事件の弁護に携わってきた経験から言うと、示談の成立とともに、検察官に再発防止策を提示することも起訴猶予処分を得るための大切な材料になります。
たとえば盗撮系の事件であれば、スマホが盗撮の道具になるケースが多いので、ご家族の協力を得てスマホの使用方法を制限するなど、スマホの管理を徹底することはひとつの方法になります。
今の時代、スマホ自体を使わないようにすることは難しいので、カメラ機能を使用できない状態にして、その証拠を写真に撮って検察官に報告したケースもあります。
GPSアプリを共有することで被疑者の方がどこにいるかすぐわかるようにして、再犯を防ぐ手段を報告したこともあります。
また、薬物が関係している方の場合には、依存症治療のために通院していることを報告しました。
再犯防止の取り組みを言葉で説明するだけでなく、行動として示すことが大きな意味を持つと考えています。
このような再犯防止策を依頼者の方やそのご家族とともに考え、徹底していくことも、弁護士の大切な役割になります。
起訴されて有罪率99%の刑事裁判にかけられないために
刑事事件で起訴されて裁判になると、99%以上の確率で有罪判決が下され、前科がついてしまうことになります。
起訴されるまでの最長23日間、限られた時間の中でどこまで起訴猶予の判断材料を提示できるか。
さまざまなケースの刑事事件の弁護で培った経験を生かしてサポートします。